①厨房排気フード
厨房の排気フードは、洗浄器・煮炊き・焼き物・てんぷら・炒め物等を調理する場合に出る煙や湯気・油脂の空気を不燃性のステンレス板で、天井から蓋状に覆い各種煙や煤等を吸込み屋外に排気する装置です。
※排気量は法律で定められています。
長期間の使用によりステンレスフードは埃や油脂で汚れます。
放置しますと保健所より衛生上の指導をうけますので、定期的な清掃が必要です。和名では天蓋(てんがい)といいます。 |

フード(天蓋)
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②グリスフィルター
湯沸器や洗浄器以外の厨房排気フード内上部に逆三角形の容で、V字にグリスフィルターが取り付けられています。 これはステンレス板で加工した物やステンレスを小さく切ったフィルター状のもの、その他いろいろの材質、形状の物もあります。油分を除去(油脂除去率約80%)し、排気ダクト系統に油分を付着させない為のフィルターです。
調理内容や使用時間でも異なりますが、洗浄せずに長期間使用しますと、排気機能低下に因り、著しく不衛生となります。①の排気フードと併せ定期的なメンテナンスが必要です。
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グリースフィルター
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③アクアフィルター
排気フードにステンレスグリスフィルターの替わりに取付ける物で、Vバンクと同じ様な形をしていて、水道水を溜めその水の中に排気煙を潜らせ、油脂分や臭いを除去する装置(油脂除去率約はグリスフィルターより良い)で火炎ダンパーも不要、毎月1回の定期点検と水道水の補給を怠ると油分除去機能を損なうことになり、油脂分がダクトに飛散します。 なお、アクアフィルターを設置した場合でもフード清掃は必要ですが、ダクトの清掃は不要と言われています。
ただし、毎月の点検費用と使用時に水を少量流しますので、水道料金のコストが掛るのが難点です。 |

フィルター受け(Vバンク)
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④火炎伝送防止装置
火炎ダンパー及び自動消火装置その他に色々あります。
火炎ダンパーとは、排気フードの上部に取り付けてあり、万が一にフード火災が発生した場合に火炎がダクトに延焼するのを阻止するための装置です。
自動消火装置とは、排気ダクト内やフード内の火災をいち早く感知して、自動的に消火剤を放射して消火する装置です。火炎ダンパーや自動消火装置が動作した場合に厨房排気ファンを同時に停止させる場合もあります。
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⑤厨房排気ダクト
排気した油脂を含む煙等を屋外に導くための風の道です。グリスフィルターで油脂分を80%前後除去できても、20%の油脂はダクト内部に飛散してダクトやファンに付着します。長年清掃しないと多量の油脂が付着していると思ってください。
定期的なダクト、ファンの清掃は、火災延焼防止や防火予防となりますので、これからも付着状況を確認しながら定期メンテナンスが必要です。
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⑥防火ダンパー
防火ダンパーとは⑤の厨房排気ダクトが防火区画を貫通している箇所に設置して、温度ヒューズを溶断させて火炎を延焼しない様にするもので、厨房ダクト同様に定期メンテナンスが必要です。
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防火ダンパー |
⑦排風機(ファン)
厨房内の排気フードで集煙した煙等はダクトを通じて、排風機(ファン)屋外に放出する機器です。
これら①~⑦の機器は消防庁の指導要項で、定期的なメンテナンス維持管理を行なわなければなりません。 |

排風機
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⑧排風機の種類
a.多翼式ファン
一般にシロッコファンと呼ばれているもので、3~5センチメートルの小さくカーブしている多数の羽根を回転させて送風させます。
これは、比較的低回転で大容量の送風ができ、騒音・振動も少ないことから多用されていますがその反面、羽根の枚数と表面積が多くなります。
特に羽根の部分に油脂分が付着することにより、送風能力が著しく低下しますので定期メンテナンスが必要です。
b.ラインファン
羽根の形状が、プロペラ式になっており、油脂分が付着しても能力的には低下しにくい構造になっていますが、本体内部に付着した油脂分を除去するには、ファン本体からダクトを外して清掃します。
c.ターボーファン、リミットロードファン
多翼ファンに比べて静圧能力(風の圧力)がシロッコファンより優れ、厨房から機器本体から屋外に放出するまでの距離が長い場合などに設置されます。羽根についた油脂分は、能力にほとんど影響しませんが、非常に高回転な為、騒音・振動が大きいというデメリットがあります。 |